• テキストサイズ

禪院家の落ちこぼれシリーズ 【R18】クロスオーバー

第14章 へなちょこな彼は彼女を愛したい 【REBORN ディーノ】


「ひ、ひぃぃぃ! な、何この人たち!?」


部屋で腰を抜かしている茶髪の少年が、ディーノの言う「ツナ」らしかった。
あまりに情けない悲鳴に、いのりは思わず目を丸くする。
禪院の男たちのような傲慢さは微塵もなく、むしろ自分よりもずっと弱そうだ。


「よお、ボンゴレ十代目! 俺はディーノ。お前の兄貴分だ!」


ディーノはツナの肩を抱き、快活に笑う。
その光景は、いのりが知る「術師の世界」の上下関係とはあまりにかけ離れていた。


ふと、いのりは辺りを見渡す。
やっぱり、おかしい。
これだけの人がいれば、一人くらい呪力を垂れ流している者がいてもおかしくないはずだ。


(ここは、私のいた場所じゃない……?)


ようやく芽生え始めた違和感に戸惑ういのりの肩を、ディーノの手が優しく叩いた。


「どうした、いのり。緊張してるのか? 大丈夫だ、ツナはいい奴だぜ。……な、ツナ?」


「ええっ、あ、はい! はじめまして……って、ディーノさんの彼女さんですか!?」


ツナの真っ直ぐな、けれどどこか抜けた問いかけに、ディーノは一瞬だけ口を震わせた。


「ば、バカ! 客人だって言っただろ! ……悪いな、いのり」


赤面して慌てるディーノと、それを見て呆れるロマーリオ。
ここは日本なのに、自分の知る日本ではない。
呪霊も呪術師もいない、けれど目の前の男たちが紡ぐ「マフィア」という別の熱量を持った世界。
そんな平和な空気の中に、突如として異質な「澱み」を感じた。
密度が高く、抗いがたい力を持った「呪い」の気配。
いのりは反射的に身構え、その気配の主を探した。


視線の先にいたのは、黒いスーツを着こなした一人の赤ん坊だった。


(……赤ん坊?、が 喋っている……?)


驚きを隠せず、その姿を凝視してしまう。
特に目を引いたのは、その胸元に下げられた黄色いおしゃぶりだ。
そこから放たれる気配は、明らかにこの世界の理から外れている。

ふと、その赤ん坊と目が合った。


「……ほう。俺をそんなに見てどうした、お嬢さん」


低い、赤ん坊とは思えないほど落ち着いた声。


次の瞬間、彼は重力を無視したような動きでいのりの肩に飛び乗ってきた。






/ 340ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp