禪院家の落ちこぼれシリーズ 【R18】クロスオーバー
第13章 呪われた彼は彼女に救われたい 【銀魂 土方十四郎】
「こいつがなきゃ、俺は今頃、自分の名前も忘れてい乗っ取られてただろうよ……暗闇の中で、あんたの声が聞こえた気がした」
「……私の?」
「ああ。……戻ってこいって、うるせーくらいにな」
土方は少し照れくさそうに視線を逸らし、首の後ろを掻いた。
「……ありがとな、いのり。あんたのおかげで、俺は俺のままで戻ってこれた。……それと、酷いこと言ったのも、謝る。三次元がどうとか……あれは、その……刀のせいでな」
「ふふ……はい。わかってます。土方さんが、本当はとっても優しい人だってこと、私が一番知ってますから」
いのりが花が綻ぶように笑うと、土方は一瞬言葉を詰まらせ、それから観念したように溜息をついた。
「……全く。あんたみたいな女を拾っちまったのが、運の尽きだ」
言葉とは裏腹に、その顔はこれ以上ないほど穏やかだった。
呪いも、血塗られた家柄も関係ない。
ただ自分を信じて待っていてくれたこの女に、自分は完全に絆されているのだと、土方は自覚せざるを得なかった。
「……明日からは、また忙しくなるぞ。掃除、サボってた分まで働いてもらうからな」
「はい! 土方さん!」
幸せそうに頷く彼女を見て、土方は「二度と離さねェ」と心の中で密かに誓い、茶を飲み干した。