禪院家の落ちこぼれシリーズ 【R18】クロスオーバー
第13章 呪われた彼は彼女に救われたい 【銀魂 土方十四郎】
激しい死闘は終わりを告げた。
銀時たちの協力、そして土方の復活により、真選組は瓦解の危機を脱した。
夜の帳が、静かにほどけていく河原で、土方は致命傷を負った伊東と対峙していた。
裏切り、策略、そして最後に見せた士道。
土方は無言で刀を抜き放ち、かつての同志であり、敵であった男を、自らの手で見送った。
「……あばよ、伊東」
冷たい風が吹き抜ける。伊東の身体が動かなくなったのを見届けた土方は、ふらりとよろめき、その場に膝をついた。
「おい、トシ! 大丈夫か!」
「……土方さん、無理しないでくだせェ」
駆け寄る近藤や沖田を片手で制し、土方は震える指で懐の御守りを取り出した。
あんなに不器用な縫い目だったそれは、呪いとの相克に耐え抜き、今はボロボロになって真っ黒に焼けている。
「……これか。お前が、言ってたのは……」
銀時が隣に立ち、覗き込むように言った。
「ああ。……こいつがなきゃ、俺は今頃、二次元オタクの藻屑になってたところだ」
土方は御守りを愛おしそうに握りしめた。
トッシーとして意識が混濁していた間も、暗闇の中で自分を呼び続けていた声があった。
「三次元は興味ない」と突き放した自分を、最後まで信じて、なけなしの命を削って守ろうとしてくれた女。
「……近藤さん」
「なんだ、トシ」
「屯所に、急いで戻るぞ。……待たせてる奴がいる」
土方は立ち上がり、まだ痛む身体を引きずって歩き出した。
朝日に照らされた彼の背中は、もはや揺るぎない。
自分の帰るべき場所へ、そして、自分を繋ぎ止めてくれた彼女の元へ。
「……次は、焼きそばパンじゃねェもん、買ってってやらねーとな」
土方のぶっきらぼうな呟きに、銀時は「甘っちょろいねぇ」と笑いながら、静かにその後を追った。