禪院家の落ちこぼれシリーズ 【R18】クロスオーバー
第13章 呪われた彼は彼女に救われたい 【銀魂 土方十四郎】
「俺は……あいつを、酷い言葉で追い返した。……クソ野郎から逃げて、やっと居場所を見つけたあいつを……また、独りにした……」
土方の瞳が鋭く光る。
「………いのりだけは、死なせるな。伊東の連中に……あいつの居場所を、壊させるな……!」
「……っ!」
次の瞬間、土方の瞳から光が消え、再びトッシーの虚ろな表情に戻った。
「……チッ。勝手なことばっか言いやがって」
銀時は不機嫌そうに髪を掻いたが、その瞳には既に鋭い殺気が宿っていた。
土方が、あのプライドの塊のような男が、己を捨ててまで助けを乞うた。
そして、最後まで気にかけたのは、自分が傷つけてしまった一人の女性のことだった。
「新八、神楽。……行くぞ。焼きそばパン代のツケ、きっちり取り立てに行かなきゃならねーからよ」
土方の懐の中、いのりがなけなしの力で編み上げた御守りは、今も静かに、彼の最後の人間性を守るように脈打っていた。
戦場は、鉄と血の匂いに包まれていた。
反乱勢に追い詰められ、絶体絶命の危機に瀕する近藤。
その窮地に駆けつけたのは、パトカーの屋根に立ち、木刀を構えた銀時……と、トッシーだった。
「……フヒッ、何やら物騒な撮影現場でござるな。拙者、それより早く帰ってアニメの録画を……」
「いい加減にしろ、このマヨラー引きこもりがァ! 仲間が死にかけてんだよ、さっさと戻ってきやがれ!」
銀時の怒号が響く中、トッシーの胸元――懐の御守りが、突然、火がついたような熱を放った。
(……土方さん……負けないで……!)
遠く離れた屯所で、祈り続けているいのりの想いが、なけなしの呪力と共に土方の魂を叩き起こす。
「……が、……あああああああッ!!」
土方は咆哮し、自らの腰にある妖刀『村麻紗』の柄を、砕けんばかりの力で握りしめた。
呪いの黒い靄と、御守りの白い光が、彼の身体の中で激しくぶつかり合う。
「……どけ……村麻紗。俺の……俺たちの居場所を……これ以上汚させはしねェ……!」
バキリ、と精神の檻が壊れる音がした。
次の瞬間、そこに立っていたのは、だらしないオタクではない。
漆黒の隊服を血で濡らし、瞳に冷徹な殺気を宿した「鬼の副長」だった。
「待たせたな、近藤さん。……後の始末は、この俺がつける」