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禪院家の落ちこぼれシリーズ 【R18】クロスオーバー

第13章 呪われた彼は彼女に救われたい 【銀魂 土方十四郎】


その後、紆余曲折を経て万事屋に転がり込んだ土方は、虚ろな目でいたが、銀時たちが彼を連れて刀鍛冶の鉄矢の元を訪れたとき、事態は急変した。


「……こりゃあ、ひでェ。妖刀『村麻紗(むらましゃ)』……。持ち主を二次元オタクに変えちまう呪いの刀だ」


鉄矢の言葉を聞いても、銀時は鼻をほじりながら呆れた声を出す。


「……呪いだぁ? んな少年ジャンプじゃあるまいし。ただの重度のオタクになっちまっただけだろ、こいつは」


銀時は鼻をほじりながら、目の前でアニメ雑誌を読み耽る土方――トッシーを指差した。
しかし、刀鍛冶の鉄矢は真剣な面持ちで首を振る。


「……妖刀『村麻紗』。かつてこの刀で母親に切られ、命を落としたオタクの怨念が宿っている。一度握れば、どんな強者も二次元の嫁を愛でるオタクに成り下がる呪いの刀だ」

「マジかよ、呪いでオタクになるとかコスパ悪すぎだろ」


銀時が呆れ果てたその時、土方の身体がガクガクと不自然に震え出した。


「……が……ぁ……っ、ぐ……!!」

手から雑誌が滑り落ちる。
トッシーの虚ろな目が一瞬、カッと見開かれた。
その瞳には、かつての「鬼の副長」の、鋭く凄まじい光が戻っていた。

「……最後に会うのがお前らとはな……万事屋………」

「……? おめー、正気か」


土方は「最後の一本か…」とタバコを吸いながらもなんとか意識を繋ぎ止めながら銀時を見つめた。


「……頼む。……最初で、最後の、願いだ。真選組を……近藤さんを、助けてくれ……」

「……何言ってやがる。てめーで行けよ」

「俺は……もうダメだ。魂が、塗り潰される……。だが、それともう一つ……」


土方の声が、さらに必死さを帯びる。


「……屯所に……いのりという女がいる。訳あって俺が拾った……身寄りもねェ、ただの不器用な女だ」

「女? おめー、いつの間にそんなもん隠し持ってやがった」


銀時は初耳だというように目を見開いた。


「あいつは……俺が呪われたことに、最初から気づいてやがった。……呪いなんて信じねェ俺に、馬鹿正直に『危ない』って……泣きそうな顔で、御守り、渡しやがって……っ」


土方の懐で、不器用な刺繍が施された小さな御守りが、赤黒い呪気の侵食を押し留めるように白く淡い光を放っている。




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