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禪院家の落ちこぼれシリーズ 【R18】クロスオーバー

第13章 呪われた彼は彼女に救われたい 【銀魂 土方十四郎】



(やっぱり、あの刀の呪いが……土方さんの魂を食べてる……)


彼女は、土方が刀を手に入れた直後、自分のなけなしの呪力を全て絞り出して作った「御守り」を彼に渡していた。
しかし、元々呪力が乏しい彼女の力では、強力な妖刀の侵食を止めることはできなかった。


「……トシの奴、今日も部屋から出てこねーのか」


廊下で鉢合わせた近藤が、心底心配そうに溜息をつく。
その横には、面白がるような、冷徹なような、複雑な表情の沖田がいた。


「近藤さん、あんなのもう放っておけばいいんですぜ。今の土方さんは副長どころか、ただの粗大ゴミだ。俺が代わりに副長になってやりやしょうかィ」

「総悟、そんなこと言うな! トシは……トシはきっと心か何かの病気なんだ!」

「病気じゃねェですよ。あれは『心が折れた』って言うんですぜ」


二人の会話を横で聞いていたいのりは、たまらず二人の間に割って入った。


「違います! 土方さんは、病気でも、心が折れたわけでもありません!」

「いのりちゃん……?」

「……あの刀なんです。あの刀に、土方さんは魂を奪われかけてるんです……!」


必死に訴えるが、この世界に「呪い」や「術式」という概念はない。
近藤は困ったように眉を下げ、彼女の肩に手を置いた。


「……いのりちゃん。君がトシを慕ってくれているのはわかる。だが、刀が人を操るなんて、そんなお伽話……」

「お伽話じゃありません! 私のいた世界では、あんな風に人を壊す呪いがたくさんあったんです!」


そこへ、廊下の奥から伊東鴨太郎が静かに歩み寄ってきた。


「おやおや、騒々しいね。……いのりさん、君の献身には感服するが、現実は直視すべきだ。今の土方君は局中法度を破り、組織の規律を乱す存在でしかない」

「伊東……さん」

「近藤君。そろそろ決断の時だよ。彼をこのまま副長の座に据え置くのは、真選組にとって最大の汚点となる」


伊東の言葉は正論のように聞こえるが、その瞳の奥には、土方が失脚することを愉しむような暗い光があった。
いのりは、懐に隠した自作の御守りに触れた。
御守りは土方の呪いと共鳴しているのか、不気味に熱を帯びている。



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