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禪院家の落ちこぼれシリーズ 【R18】クロスオーバー

第13章 呪われた彼は彼女に救われたい 【銀魂 土方十四郎】


「——というわけだ。身寄りもなく、行き場もねェ。ここで女中として雇いたいんだが、構わねェな、近藤さん」


土方が簡潔に事情を説明し終えると、上座に座っていた近藤勲は、みるみるうちに目に涙を溜めていった。


「う……うおおおおおおっ! なんて酷い話だ! そんな、そんな男に……!」


近藤は鼻を啜りながら、いのりの前に身を乗り出した。


「辛かったな、いのりさん! 怖かっただろう、苦しかっただろう! だがもう安心だ! この真選組が、君の盾になろう!」

「あ、ありがとうございます……近藤様」

「様なんてよしてくれ、近藤でいい! むしろゴリラと呼んでくれても構わん!」

「それは流石に失礼だろ」


土方が呆れ顔で突っ込むが、近藤の熱意は止まらない。


「今日から君はここの家族だ。好きなだけいてくれ! 掃除や洗濯なんて、気が向いた時でいい。まずはその心の傷を癒やすんだ」

「……いいえ。私、働かせていただきたいんです。ここで、皆さんの役に立ちたいんです」


いのりが真っ直ぐに伝えると、近藤は再び号泣した。


「おおお……なんて健気な子なんだ! トシ! 彼女に変な虫がつかないよう、全隊士に『指一本触れたら即切腹』の局中法度を追加しろ!」

「言われなくても、不埒な真似をする奴は俺が片っ端からマヨネーズの海に沈めてやるよ」


土方はそう言って、少しだけ口角を上げた。
その視線はどこか保護者のように温かい。


「……ってことで、今日からここがあんたの家だ。わかったな、いのり」


直哉の冷酷な暴力に支配されていた昨日までが、嘘のように遠く感じる。
賑やかで、少し騒がしすぎるほどのこの場所で、いのりの新しい生活が始まろうとしていた。




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