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禪院家の落ちこぼれシリーズ 【R18】クロスオーバー

第13章 呪われた彼は彼女に救われたい 【銀魂 土方十四郎】


「一応、あんたの身元について洗ってみたが……何一つ手掛かりはなかった。天人の変な術にでも巻き込まれたのか、それとも本当にあんたの言う『別の世界』ってやつか。……まあ、今はどっちでもいい」


土方はじっといのりを見つめた。


「……で、これからどうしたい。あんた、行く当てはあるのか?」


いのりは静かに首を振った。
禪院家という檻から逃げ出した先が、まさか文字通りの「別世界」だとは思わなかった。
この世界には直哉もいないが、同時に自分を証明する術も、帰る場所もない。


「……ありません。身寄りも、知っている人も、誰も」

「だろうな」

「もし……もし可能なら、どこか住み込みで働けるところを紹介していただけないでしょうか。掃除でも、洗濯でも、何でもします。ただ……」


いのりの声が微かに震える。


「……あんな風に、されるのだけは……」


その言葉に、土方は苦い顔をして頭を掻いた。
彼女の身体に刻まれた傷跡と、怯えた瞳。
それを思い出すだけで、同じ男として胃のあたりが焼けるような不快感を覚える。


「……だったら、うちに来るか」

「えっ?」

「真選組の屯所だ。あそこは男世帯で、飯から掃除まで毎日しっちゃかめっちゃかだ。ちょうど手が足りねェと思ってたところなんだよ」


土方は少し気まずそうに視線を逸らし、ぶっきらぼうに続けた。


「……まあ、野郎ばかりでガサツな場所だが、治安の面じゃ江戸で一番マシだ。警察の目の届く場所なら、あんたを傷つけるような真似は誰にもさせねェ」


いのりは目を見開いた。
警察の詰め所。
そこには当然、多くの男性がいる。

昨日、男の手を恐れて震えた自分を思い出し、胸の奥がキュッと締まる。


「……男の人ばかり、なんですよね」

「ああ。だが、手を出そうとする馬鹿がいたら、俺が即座に切腹させてやる。……怖いか?」


土方の声はどこまでも真っ直ぐで、法度を背負う男の、厳しくも誠実な響きだった。



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