禪院家の落ちこぼれシリーズ 【R18】クロスオーバー
第12章 糖尿病の彼は彼女を甘やかしたい 【銀魂 坂田銀時】
静まり返った屯所に、突如として断末魔のような悲鳴が響き渡った。
「ぎゃあああああああ!! 出たァァァ! !」
近藤の声だ。
銀時、土方、そしていのりたちは一斉にトイレへと駆けつける。そこには何故か便器に顔を突っ込む近藤がいた。
「……いないじゃねーか。おいゴリラ、寝ぼけて自分のお尻の血でも見たんじゃねーのか」
「ち、違うんだ銀さん! 確かにいたんだ、赤い着物の女が……! 鏡の向こうから俺の……俺のイチゴミルクを狙って……っ!」
「イチゴミルクじゃねぇよ、血だろ!」
土方がツッコむが、その顔も真っ青だ。
「……あの、皆さん。やっぱり変です。呪いの気配はしませんけど、何かが……そこに」
いのりが廊下の角を指差した。
そこには、ゆらりと浮かび上がる赤い影。月光に照らされたそれは、血のように赤い布を纏い、不気味な細い管をぶら下げていた。
「「ぎゃああああああああああ!!!」」
銀時と土方が、情けない悲鳴をハモらせて猛烈な勢いで逃げ出した。
「ちょ、銀さん!? 土方さん!?」
取り残されたいのりが呆然としている間に、神楽と新八も暗闇の向こうへ消えていく。
「……嘘でしょ。……みんな! どこに行ったんですか!?」
一人、静まり返った廊下に残されたいのり。
しばらく彷徨い歩き、倒れ込んでいる隊士たちの様子を見て回った。
首筋に小さな、けれど深い刺し傷。
そして異常なほどの貧血状態。
(……これ、やっぱり呪いなんかじゃない)
数十分後
「おらぁぁぁ! 年貢の納め時だ、この吸血害虫がああ!」
ドゴォォォン!! という爆発音と共に、巨大な「蚊の天人」捕まっていた。
結局、逃げ回っていた銀時たちが、偶然(あるいはパニックの結果)蚊を物理的に叩き伏せたのだ。
「……ふぅ。ったく、とんだ重労働だったぜ。ほらよ、土方君。害虫駆除完了だ。約束の報酬、きっちり耳揃えて払ってもらおうか」
銀時が手を差し出すと、息を切らした土方が凄まじい剣幕で食ってかかった。