禪院家の落ちこぼれシリーズ 【R18】クロスオーバー
第12章 糖尿病の彼は彼女を甘やかしたい 【銀魂 坂田銀時】
振り返ると、枕を抱えたいのりが、暗闇の中で潤んだ瞳を見せて立っていた。
「……一人だと、どうしても思い出してしまって……。銀さんの隣なら、その、安心できる気がして……」
「……。…………。あー、もう、分かったよ! ほら、入れよ。その代わり、寝相悪くても文句言うなよ」
「ふふ、ありがとうございます」
銀時は布団の端を空け、いのりを中に入れた。
今朝の「酔った勢い」とは違う。
お互いの意思で、同じ布団に潜り込む。
隣に横たわったいのりの、甘い石鹸の香りと体温がダイレクトに伝わってきて、銀時の心臓は激しい音を立て始めた。
「……銀さん……凄く、あったかいです」
「……俺は暑いよ。今すぐ氷河期に来てほしいくらいだぜ」
素直に甘えてくる彼女に、銀時は戸惑い、天を仰いだ。
(……これ、俺の理性が保てるのあと何分だ? 俺、明日から仏門に入った方がいいんじゃねーか?)
隣でスヤスヤと寝息を立て始めたいのりを横目に、銀時は眠れない夜を過ごすのだった。
深夜の万事屋。静まり返った部屋の中で、銀時は文字通り「地獄」の中にいた。
隣で眠るいのりから漂う、石鹸と彼女自身の甘い体温が混ざり合った匂い。
それが鼻腔をくすぐるたびに、銀時の理性の堤防はミシミシと音を立てて崩れていく。
さらに最悪なことに、無意識に擦り寄ってきた彼女に腕を抱き込まれ、その豊かな胸の柔らかさがダイレクトに二の腕に食い込んでいた。
(……待て待て待て。落ち着け坂田銀時。お前は侍だろ? 困ってるレディを助ける騎士(ナイト)だろ? なんで股間の「洞爺湖」が不敬なレベルでギンギンに立ち上がってんだよ……!)
一度意識してしまうともう止まらない。
暗闇の中で銀時の瞳は虚無を見つめ、ひたすら般若心経を唱えるが、腕に伝わる弾力がそれをかき消していく。
「……っ、限界だわ。これ以上は銀さん、煩悩の化身になってまう……」
もはや一刻の猶予もない。銀時は決死の覚悟で、彼女を刺激しないよう、そろりそろりと腕を引き抜き、戦線離脱を図ろうとした。
「……ん、銀さん……?」
「げっ」
だが、わずかな振動でいのりが目を覚ましてしまった。
彼女は眠たげに目をこすり、顔を真っ赤にして息を荒くしている銀時を見上げ、心配そうに眉を寄せた。