禪院家の落ちこぼれシリーズ 【R18】クロスオーバー
第12章 糖尿病の彼は彼女を甘やかしたい 【銀魂 坂田銀時】
「うるさいデスネ。美しいものは見てるだけで酒が進むのデスヨ。アンタこそ、さっきから顔が般若みたいになってますヨ? もしかして嫉妬ですか、見苦しい」
「誰が嫉妬だ! 俺は、あいつが変な悪い虫につかまって、また……」
銀時は言葉を切り、酒を飲み干した。
禪院で道具のように扱われ、傷ついていた彼女を知っているのは自分たちだけだ。
ようやく笑えるようになった彼女を、もう二度と汚させたくない。
「……銀さん?」
ふいに、客の隙間を縫っていのりが歩み寄ってきた。
「そんなに怖い顔して、どうしたんですか? お代わり、持ってきましょうか?」
覗き込むように顔を近づけてくるいのり。
その瞳には、かつてあった絶望の影はなく、自分を助けてくれた「銀さん」への純粋な信頼だけが宿っている。
「……いや、いらねーよ。それより、あんな酔っ払いたちの相手、適当に切り上げとけ。あんたは愛想が良すぎるんだよ」
「えっ……私、何か失礼なことしましたか?」
不安げに眉を寄せる彼女に、銀時は盛大に溜息をつき、彼女の頭をくしゃりと撫でた。
「そうじゃねーよ。……あんたが良すぎる娘だから、周りのバカどもが調子に乗るんだっつーの。ほら、今日はもう店じまいだ」
「でも、まだお客様が……」
「うるせー。あんなエロ親父どもの相手はもう禁止だ。……帰るぞ」
お登勢の怒号が飛ぶ中、銀時は半ば強引にいのりを連れ出した。
酔いが回った銀時は、いのりの手首を掴むと二階へと連れ戻した。
リビングで寝るのかと思いきや、彼はそのまま奥の自室へと突き進む。
「ちょ、銀さん!? ここ、銀さんの布団…っ」
「いいから黙って寝ろ。……ほら、捕まえた」
ドサリ、という音と共に、銀時はいのりを抱きかかえたまま布団へと倒れ込んだ。
そのまま、大きな体で彼女を包み込むようにギュッと抱きしめる。
「……ぎ、銀さん!? 苦しい、です……!」
「……むにゃ……逃がさねーぞ……悪い虫……全部叩き斬る……」
銀時の腕は、まるで鉄の枷のように強固だった
男の圧倒的な体温と力が、否応なしに彼女を布団に縫い付ける。
いのりは顔を真っ赤にしながら、なんとかその腕から抜け出そうともがいた。
しかし、動けば動くほど、銀時の腕は「離さない」と言わんばかりに力を増す。
