• テキストサイズ

禪院家の落ちこぼれシリーズ 【R18】クロスオーバー

第11章 彼は彼女の心を救いたい 【ONE PIECE マルコ】


「……マルコさん。行ってあげてください」

「……何を言ってるんだよい。あんたは今、大事な時期だろ。俺がいなきゃ……」

「私は大丈夫です。……それに、この子の名前は『エース』ですよ? エースさんが心残りだったワノ国のこと、マルコさんが放っておけるはずありません」

いのりはマルコの手を取り、自分のまだ平らなお腹へと導いた。

「この子たちに、お父さんは誰かのために戦える、かっこいい人なんだって……胸を張って教えたいんです。だから……」

マルコは沈黙した。
彼女の強さと、亡き友への想い。
彼はゆっくりと彼女を抱き寄せ、その首筋に顔を埋めた。

「……本当、敵わねェなよい、あんたには」

翌朝、マルコはネコマムシに「遅れて行く」と告げ、旅立ちの準備を整えた。
港で見送るいのりとエースを前に、マルコは彼女の肩を強く抱きしめる。

「……必ず、帰ってくる。あんたが二人目を産む時には、必ず隣にいるよい」

「はい。約束ですよ? ……いってらっしゃい、マルコさん」

不死鳥は再び青い炎を揺らめかせ、空へと舞い上がった。
かつての絶望を乗り越えた彼女との、新しい約束を守るために。





鬼ヶ島での激戦が終わり、ワノ国にようやく夜明けが訪れた頃。
体を休めていたマルコの元に、ネコマムシが再び酒を持って現れた。

「マルコ、本当にお疲れさんじゃった。お主がいなきゃ、この勝利はなかったぜよ」

「……いや、俺はただの助っ人だよい。時代を動かしたのは、あのガキ共だ」

マルコは、自分を見送った妻の震える手を思い出していた。

「俺は長い間、親父という大きな傘に守られてきた。……でも今は、俺自身が傘になって、あいつらを守り抜く番だ。……これからは、海賊じゃなく一人の男として、家族と生きていくよい」

「カカカ! 似合わん台詞を吐きおって。……はよ行け、マルコ。お主の帰る場所は、もう決まっとるんじゃからな!」

「あァ、そうさせてもらうよい」

マルコは力強く翼を広げた。
その青い炎は、もう戦うためのものではなく、愛する者の元へ一刻も早く辿り着くための、温かな希望の光。

「……待ってろよ、いのり。エース。……今すぐ帰るぞ」

一刻も早く愛する者が待つ場所へ戻るべく、夕暮れの空へと翼を広げた。




/ 340ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp