禪院家の落ちこぼれシリーズ 【R18】クロスオーバー
第11章 彼は彼女の心を救いたい 【ONE PIECE マルコ】
……しかし、現実は非情だった。
黒ひげの圧倒的な闇の力の前に、家族たちは競り負け、かつての縄張りは次々と蹂躙されていった。
「……撤退だ! 全員、散り散りになれ! 生きてさえいれば、いつかまた会えるよい!!」
戦火の中、ボロボロになったマルコがいのりの元へ戻ってきた。
彼は泣きじゃくる我が子と、震える妻を力強く抱き寄せた。
「……ごめんな、いのり。俺たちの『家』を守りきれなかった……」
「いいんです、マルコさん。あなたが、私たちが生きてさえいれば……そこが家です」
落とし前戦争の敗北から一年。
かつての喧騒は遠い夢のように、スフィンクスの島には穏やかな時間が流れていた。
マルコは医者として村を回り、いのりは幼いエースを抱きながら、夫の帰りを待つ。
夜になれば、マルコはあの日から変わらず深く、慈しむような愛を彼女に注いだ。
「ん、ぁ……っ、マルコ、さん……っ」
「……あァ。愛してるよい、いのり。あんたも、この子も……俺の命だ」
かつて他者に汚された記憶を完全に塗り潰すように、マルコは何度も彼女のナカへ熱い証を注ぎ込む。
その熱を幸せそうに受け入れ、眠りにつく。
そんな平穏な日々の中で、二人は二人目の新しい命を授かった。
「マルコさん……。また、家族が増えますね」
「……あぁ。嬉しいよい。今度はあんたに似た、可愛い女の子がいいなァ」
そんな幸福の絶頂にいたある日。
一隻の小舟が島に辿り着いた。
現れたのは、かつてエースが目をかけていたワノ国の侍、ネコマムシだった。
「マルコ、力を貸してほしい。カイドウを倒し、ワノ国を開くために……お主の力が必要なんじゃ」
その願いに、マルコは即答できなかった。
背後では、まだ幼いエースがいのりのスカートを掴んで顔を覗かせている。
そして、彼女の腹の中には新しい命。
「……悪いな。俺はもう、この島を……家族を離れるつもりはねェんだよい」
マルコは一度断りを入れたが、その夜。
月明かりの下でいのりは、葛藤を隠しきれないマルコの背中にそっと寄り添った。