禪院家の落ちこぼれシリーズ 【R18】クロスオーバー
第11章 彼は彼女の心を救いたい 【ONE PIECE マルコ】
「……マルコ、さん……どこ……?」
必死に目を凝らした先。
ボロボロになった海賊たちの群れの中に、その背中を見つけた。
不死鳥の炎は消え、土埃と血にまみれた、傷だらけの男。
「……っ」
いのりは声を出すことも忘れ、欄干を白くなるまで握りしめて彼を見つめた。
マルコは、かつての弟分と、敬愛する親父さんの亡骸を前に、呆然と立ち尽くしている。
その背中は、今にも崩れ落ちそうなほどに孤独で、打ちひしがれていた。
「マルコ、さん……」
震える声で、その名を呼んだ。
届くはずのない距離だったが、その時、マルコがゆっくりと振り返った。
その瞳には、すべてを失った者の絶望と……そして、遠く離れた船の上に、自分を待つ「唯一の光」を見つけた驚きが混ざり合っていた。
「……いのり……」
マルコの唇が、音もなく彼女の名を呼んだ気がした。
二人の間に流れるのは、言葉では言い表せないほど残酷で、けれど確かに繋がった絆の熱だけだった。
マリンフォードを包んでいた硝煙が、潮風に流されていく。
赤髪海賊団が仲裁に入り、世界を揺るがした戦争は幕を閉じた。
しかし、残されたのは勝利の歓喜ではなく、あまりにも重すぎる喪失だった。