第3章 幼馴染は卒業します 【ハイキュー!! 孤爪研磨】
昼休み。
喧騒に包まれる教室の片隅で、研磨と🌸は机をくっつけて並んでいた。
バレー部の練習の合間のこの静かな時間が二人にとっての「日常」だ。
「……あ、また死んだ。このステージ、初見殺しすぎる……」
「だから言ったじゃん。そこ、床が抜けるよ」
「研磨、先に言ってよー」
笑いながら、🌸が研磨の腕を軽く小突く。
研磨は「……見てればわかるでしょ」とぼやきながらも、口角をわずかに上げ、彼女に自分の画面を見せて攻略法を教え始めた。
その距離、わずか数センチ。
外から見れば、完全に二人の世界だ。
「おーおー、相変わらず仲良しだねぇ、お二人さん」
そこへ、購買の焼きそばパンを片手に持った黒尾が、ひょいと現れた。
「クロ、お疲れ様。パン、買えたんだ」
「おう。戦場だったぜ。……で? 俺の分のジュースは?」
黒尾はそう言いながら、当然のように🌸の椅子の背もたれに手をかけ、ぐいっと顔を近づける。
「買ってないよ。自分で買いに行きなよ」
「冷たいねぇ。じゃあ、代わりと言っちゃなんだけど……」
黒尾は空いている方の手で、🌸の頬をむにっと指でつついた。
「わ、ちょっと、くろお、やめて。食べてる途中なんだから」
「ははっ、お前は本当に、小動物みたいで可愛いねぇ」
黒尾の低い笑い声が、🌸の耳元で響く。
彼は昔から、🌸を「妹」としてこれでもかと可愛がる。
その手つきは手慣れていて、🌸も文句を言いながら、嫌がらずにそれを受け入れていた。
「……クロ、邪魔」
冷ややかな声が、二人の間に割り込んだ。
研磨が、ゲーム機を机に置き、ジト目で黒尾を見上げている。
「おや、研磨さん。そんな怖い顔しなさんな。ちょっと🌸を愛でてるだけだろ?」
「……近すぎ。暑苦しい」
「おーおー、手厳しいね。もしかして、俺が🌸に触るの、気に入らない?」
黒尾はわざとらしく、🌸の肩に腕を回して引き寄せた。
「なー、🌸。研磨がこう言ってるけど、俺と離れたい?」
「えっ、別に……クロはいつも通りだし。でも、ちょっと恥ずかしいかな」