第10章 鬼狩りの受難 【REBORN 雲雀恭弥】
HRが終わり、休み時間になった途端、彼女の席はクラスメイトに囲まれた。
「ねえ、どこから来たの?」
「髪、綺麗だね!」
質問攻めに会い、🌸が困惑しながらも愛想笑いを浮かべていた、その時だ。
ガラッ、と教室の扉が勢いよく開いた。
入ってきたのは、腕に「風紀」と書かれた腕章を巻いた、険しい表情の生徒たちだ。
「……転校生の◯🌸。委員長がお呼びだ。今すぐ応接室に来い」
その言葉が落ちた瞬間、教室の空気が凍りついた。
さっきまで賑やかだったクラスメイトたちが、一斉に血の気を引かせ、クモの子を散らすように自分の席へと戻っていく。
「え? 応接室……? あの、そこって何がある場所なの?」
首を傾げる🌸に、周囲は答えるどころか、目を合わせることすら拒絶した。
誰もが「関わったら咬み殺される」と言わんばかりの怯えようだ。
「……困ったな。場所がわからないんだけど、誰か案内してくれる人いない?」
🌸が周囲を見渡すが、みんな一様に首を左右に激しく振り、机に伏せたり教科書を盾にしたりして固まっている。
その異様な光景に、🌸は(不死川さんが怒鳴り込んできた時の隊士たちみたいだな……)と、場違いな既視感を覚えていた。
「おい、ダメツナ。お前が案内してやれ」
不意に、窓際にいたリボーンが声を飛ばした。
いつの間にかちゃっかり椅子に座っている。
「ひいいい!? なんで俺なんだよリボーン! 死んじゃうよ、応接室なんて行ったら雲雀さんにバラバラにされるよ!」
「俺の命令が聞けねーのか。死ぬ気で案内してこい」
リボーンが容赦なくツナの背中を蹴り飛ばす。
「いたたた……! うう、わ、わかったよ……。行くよ、行けばいいんだろ……」
涙目になりながら立ち上がったツナに、🌸は申し訳なさそうに苦笑した。
「ごめんね、ツナ君。……そんなに怖いところなの? 応接室って」
「怖いどころじゃないよ! あそこは魔王の巣窟……いや、処刑場みたいなもんなんだから……!」
「……?」
震えるツナに先導され、🌸は校舎の奥へと歩き出した。
彼女はまだ知らない。
その先に待ち構えているのが、昨日の戦闘狂の少年であることを。