第8章 一日遅れのショコラと、プロポーズ【 REBORN ディーノ】
「……これ、ずっと付けててくれたんだな」
「……はい、私の宝物です……」
ディーノは、🌸の白い首筋で静かに揺れるブルーサファイアのペンダントを、愛おしそうに指先でなぞった。
去年のあの日、もう二度と会えないかもしれないという覚悟で手渡した「誠実・慈愛・守護」の意味をもつ石。
「あの日、君を置いていこうとした俺を、この青がずっと繋ぎ止めてくれていた気がするよ」
ディーノは慈しむようにサファイアをなでると、今度は彼女の左手をそっと取り、その指先に柔らかなキスを落とした。
「去年は、君の無事を願ってこの石を贈った。……でも、今はもう、守られるだけの君でいてほしくないんだ」
ディーノはもう片方の手で、新たな箱を取り出すと開いた。
中には力強く清らかな光を放つダイヤモンドの指輪。
「っ……!」
目に入った眩い輝きに、🌸は小さく息を呑んで目を見開いた。
驚きで声も出ない彼女の瞳に、ディーノはどこまでも真剣で、熱い眼差しを向ける。
「🌸を俺の世界に引き込むのは、やっぱりまだ少し怖い。……けど、それ以上に、誰にも渡したくないんだ」
熱い眼差しが、🌸の瞳を捕らえて離さない。
「俺の妻になってくれ、🌸。一生かけて、俺が君を幸せにする」
去年の雪の夜とは違う、確信に満ちたプロポーズ。
その言葉が鼓膜を揺らした瞬間、🌸の瞳から大粒の涙が溢れ出した。
驚きはすぐに、胸を締め付けるほどの幸福感へと変わっていく。
「……はい、はい……っ! 喜んで……!」
何度も、何度も、壊れた人形のように激しく頷く🌸。
震える指先をディーノに委ねると、彼は幸せそうに目を細め、永遠を誓う指輪をその薬指へとゆっくり滑らせ、優しい口付けをおとした。
去年の雪の夜とは違う、確信に満ちたプロポーズ。
薬指で輝くダイヤは、二人がもう二度と離れないことを、静かに、けれど力強く証明していたーー。