第6章 【ハイキュー!!✖︎名探偵コナン】
心地よい疲労感と、一日中張り詰めていた緊張が解けた反動で、🌸は自宅のベッドに沈み込むように倒れ込んだ。
「……疲れたぁ……。死ぬかと思った……色んな意味で…本当に」
天井を見上げながら、今日一日の出来事を反芻する。
大好きな推しキャラである黒尾と研磨との、夢のような遊園地デート。……のはずだった。
「なんでハイキューの世界に、あの死神くんがいるのよ……」
今更ながら、事の重大さに頭を抱える。
🌸はただの『幼馴染』という最強のポジションを謳歌するために、平和なスポーツものの世界に転生したと思っていたのだ。
それなのに、蓋を開けてみれば、手首のリストバンドが爆破するだの、キッド様が夜空を舞うだの、ここは命がいくつあっても足りないミステリーの世界でもあったらしい。
「あー……もう。今後は絶対に、あの少年探偵団たちとだけは関わらないようにしよう。合宿とか練習試合でも、米花町方面には近づかないように気をつけなきゃ……」
黒尾や研磨、それに大切な部員のみんなが、あんな物騒な事件に巻き込まれるなんて想像しただけで寿命が縮む。
彼らにはバレーボールと、平和な日常の揉め事(誰が🌸の隣に座るか、とか)だけで笑っていてほしい。
🌸は、手首に残る微かな感覚をなぞり、今日ずっと守るように側にいてくれた二人の体温を思い出す。
「……でも、二人とも無事で本当によかった」
明日、学校に行けばまた、黒尾がニヤニヤしながら「おい、キッド様はどうした?」とからかってくるだろう。
研磨はきっと、眠そうな目で「……昨日のこと、まだ怒ってるから」と袖を引くに違いない。
そんな、今まで通りの「平和な」明日が来ることに感謝しながら、🌸は深い眠りへと落ちていった。
けれど、この時の私はまだ知らなかった。
一度「名探偵」の好奇心のレーダーに引っかかってしまった者が、そう簡単に日常へ戻れるはずがないことを。
あの鋭い眼光の少年と、哀しげな瞳の少女が、この日を境に「音駒高校の合気道少女」に並々ならぬ関心を持ってしまったことを。
バレーのコートを挟んだライバルだけではない。
運命の歯車は、バレーボールの枠を大きく越えて、死線と日常が隣り合わせの奇妙な縁へと繋がり始めていたーー。