第2章 帝光中バスケ部に入るきっかけ
「ねーねー、君が茶郷雫ちゃん?」
昼休み。
いきなり話しかけてきたのは、ピンク色の髪をした、やたらスタイルのいい女の子だった。
正直、私は人と関わるのが苦手だ。
だから学校では、なるべく他人を避けている。
「……誰? ていうか、なんで私の名前知ってんの。ストーカー?」
「私、桃井さつき! 帝光中バスケットボール部のマネージャーだよ!ストーカーに近いかもね? 雫ちゃんのことなら、なんでも知ってるし!」
嫌な予感しかしない。
「例えばさ、小学六年生で女子バスケ全国優勝、MVP獲得。そのあとバスケを辞めて、今は普通の中学生。小柄な体格を活かしたスピード特化型で、ポジションはパワーフォワード!」
……正直、気持ち悪かった。
「は? なんでそこまで知ってんの」
「副キャプテンに調べろって言われたから、めっちゃ調べたの!大変だったんだからね〜。ってことで! 今日の放課後、屋上に来てほしいの!」
一方的に話を進められて、言葉を失う。
でも――帝光中男子バスケ部。
正直、少しだけ興味はあった。
「……分かった。行く」
そう答えると、桃井の顔がぱっと明るくなった。
「やった! 屋上に着いたら赤い髪の人がいるから!
じゃ、授業遅れるから行くね!」
そう言い残して、彼女は走り去っていった。