第5章 触れた過去の余韻
コツ…っとテーブルに置かれたコップを見つめる。
その中では水がゆらゆらと揺れ、次第に収まっていった。
目の前に屈んだ白が揺れる。
髪を撫でた大きな手は心地いい。
「ん…さとるさん…」
「大丈夫……じゃないよね。
明日、休む?」
軽く首を振り、鉛のように重たい身体を起こした。
何度出されて、何度達したかわからない。
支えてくれた悟さんからコップを受け取り、水をひと口飲む。
そのまま渡された錠剤を飲み込んだ。
「これで妊娠しないから、安心して。
副作用とかもあると思うから、今度からは中出ししないようにするよ」
"避妊して欲しい"とは言えずに、ただ頷く。
考えとくと言っていたから、何度も言ったら煩わしいだろう。
甘えたくなって手を伸ばすと、そのまま抱えられる。
悟さんは私を抱えたまま、自身の寝室へと向かった。
ベッドに降ろして、布団を掛けてくれる。
頬をツンツンと突いた後、優しく撫で、髪を持ちながら離れていく。
「おやすみ」
髪がパサッと落ちて、額に口付けが落ちた。
ゆっくり目を瞑って、息を吐き出す。
「おやすみなさい」