第4章 過去の引力
目が覚めると肩を抱かれていたので、起こさないように床に転がった鞄に手を伸ばす。
すぐ近くにあったのでなんとか取れて、スマホを確認した。
まだ早い時間だったがよく眠れたので、頭はすっきりしている。
身体は重いけど…それよりも、お腹が空いて眠れない。
スマホを置いて天井を見上げる。
頬に温かいものが触れ、僅かな風に擽られる。
「おはよ」
「おはよう。
起こしちゃった?
――そうだ、お仕置は?
いいの?」
「したよ?」
寝る前と特に変わりがなくて首を傾げる。
叩かれたりとか、朝みたいにされるのかと思っていた。
でも、何かされた形跡はない。
「おいで」と抱えられて洗面台の前に行き、降ろされる。
肩に手を置かれて、鏡に写った自分を見た。
「ちゃんとお仕置したでしょ?
隠しちゃダメだよ?
服で隠れるとこはしょうがないけど……こことかは、そのままね」
全身に鬱血したような跡がたくさんあって、首を指先で撫でられた。
肩を竦めて、悟さんの指を頬で挟んでしまう。
キスマーク――所有印。
私は悟さんのもの。
「が、学校……」
「ん、お仕置。
隠しちゃダメ」
後ろから乳房を持ち上げるように揉まれ、乳首の周りを撫でられる。
悟さんの瞳が鏡越しに私を捉えて、背中に跡を残していった。