第2章 痛みの始まり
「ひゃっ!冷た…」
「うるさいなぁ、手で温めたけど?
あぁ、言っとくけど…僕、好きな子以外には優しくしないからね」
顔合わせのその夜、五条家であてがわれた部屋で、私は婚約者と初めての夜を過ごす。
謝りながら、ローションの冷たさと、性器を触られる違和感に耐えた。
浴衣の合わせを捲り、下半身だけ露出した男女。
婚約者は私の膝の間で、ぬるぬるとローションをお互いの性器に塗りたくり、一気に腰を沈めた。
「っ!?う"っ…あ"……んぐっ…!」
痛いと言えばまた怒られそうだったので、咄嗟に口を塞いだ。
荒く鼻で呼吸する。
涙が顬を伝っていく。
破瓜の痛みに必死に耐えた。
そのまま婚約者が果てるまで、声を押し殺して耐えていた。
幾ら好きじゃないからって、前戯もなしにするとか最低。
なんなの、この男。
絶対、結婚したくない。
「さ、さとるさっ…」
「なに」
「ゴム、つけてな…」
挿入直後は痛みで何も考えられなかったけど、枕の上にあった避妊具の存在を思い出した。
「あー忘れてた。
大丈夫、中には出さないから」
早く終われと願いながら、打ち付けられる痛みが快感に変わるのを待っていた。
だが、婚約者が果てるまで、快感を得ることは出来なかった。
それからはお互い喋ることはなく、婚約者が私のお腹の上に白濁を吐き出す。
全身で呼吸をしながら涙を拭った。
「お風呂入んないとね。
行くよ」
膣の痛みに耐えながら、部屋を出ていく婚約者を追いかけた。
太腿には生暖かいものが伝っていた。