第3章 蒼の侵食
「じゃあ…いってきます」
「ん。ほんとに送って行かなくていいの?」
「目立つ」
この身長、この目隠し。
目立つに決まっている。
転校初日から、自分から目立ちにいきたくない。
「僕、グッドルッキングガイだからしょうがないよ…
まっ、いいや。
いってらっしゃい、気を付けてね」
眉間に皺を寄せながら婚約者を見上げ、ぎこちなく笑顔を見せてから家を出る。
普段は優しい仮面を被っているのだろう。
でも…私自身に興味があるわけじゃない。
"女子高生の婚約者"が異質だから。
女子高生じゃなくなっても、ちゃんと抱いてくれるだろうか…。
1回だけでいいから…その時には抱いて欲しい。
コンシェルジュのお姉さんに会釈して、エントランスを抜ける。
なんか…都会って感じ!
スーツを着た人たちが足早に過ぎていく。
友達…出来るかな。
でもまあ、どうせほとんど一緒にいないし、友達になったとしても意味はない。
電車に乗り、つり革に手を伸ばす。
通勤・通学ラッシュで電車内はぎゅうぎゅう。
明日からはもう少し早く出よう。
電車は扉が閉まり、ガタンッと少し乗客を揺らしながら動き出した。