第2章 痛みの始まり
出前が届き、スプーンでひと口ずつ掬って食べる。
これは――ご飯じゃない…。
デザートだよ…パフェなんて。
「悟さん。
好きな子にしか優しくしないって言ってたよね?
でもさっき……」
「なんで優しくしたのかって?
だって女の子は、優しくした方が感じるでしょ?
特に君の場合はまだ、快感より痛みの方が強いし」
感じてるところを見たかっただけ…そう思っておけばいい、ってことかな。
この人の前で快楽に落ちたことが、すごく恥ずかしい。
だからもう、口は開かなかった。
何も見られたくない。
この人の瞳に映るのは怖い。
でも…その瞳に私の姿が宿る時、私に夢中になっていればいいのに、とさえ思う。
好きになって欲しい、とかそういうことではなくて、仮にも婚約者が他に目を向けて、優しくするのは気に食わない。
この人がすごい人だということは知っていた。
だから、そんな人が私に夢中になっている姿を見て、優越感に浸りたいのかもしれない。
「やっぱり、最後までしたかったの?」
「え?」
「静かだからさ、不完全燃焼なのかなって思っただけ」
ふるふると首を振り、甘さが胸を焼く、最後の生クリームを口に入れた。
それはあなたでしょう、と思いながら__。