第3章 第二話:守る
「街…人がいっぱい……
……ふふふっ」
キョロキョロと物珍しそうに周りを見回すステラ。そんな彼女の瞳に捉えられたショーウィンドウがステラのドレス姿を映している。くるりと回ればふわりとドレスの白い裾が舞い、それが嬉しくて声を上げて笑う。
「ほら、ステラ。手を繋ごう‥迷子になったら大変だからさ」
「うん!」
しっかりと手を繋ぎ、様々な店を見て回る。
服やアクセサリー、CDやぬいぐるみ。その全てがステラの瞳に輝いて映る。
「本当にそれだけで良いのか?他にももっと買って行ってもいいんだよ??」
「うん!これがいいの!」
ステラの腕に大切そうに抱かれた猫のぬいぐるみ。ステラはアレックスに雰囲気の似たこのぬいぐるみが大変気に入った様子で、他にも買ってやりたいところだがアレックスもそれはそれで嬉しかった。
「!ステラ、ここで海を見ながら待っててくれないか?海を見るの好きだろ?」
「?うん、ステラ…海すき!ステラ待ってる」
アレックスはある人物を見つけ、ステラを海がよく見える場所に待たせ行ってしまった…。
そんなアレックスを寂しそうに見送るステラ。しばらくして海に向き直り、いつもの様に静かに海を眺め始めた…。