第1章 大事なもの
その日私はとても苦しかった。
あとから聞いたけどせいらとれん先輩は、数週間前にたまたま帰りが一緒になって話すようになったらしい。
「話してるうちに小6のときのときめきを思い出した~」って言ってた。
それで昨日せいらが告白をしてOKをもらったんだって。
その話を聞いて私は応援したい気持ちと寂しい気持ちで苦しかった。
これまでも何度かせいらは男の子と付き合っている。
そのたんびに私はひとりになるのだ。
『せいら!一緒に帰らん?』と誘うと、
「ごめん○○と帰る!また明日絶対帰ろ!」と言われる。次の日も帰らないくせに。
朝に男子友達たちとせいらと登校するときも「昨日○○がね~」という話ばかりになる。男子たちは仲良い男子の恋愛事情は興味津々だから聞きたくないのは私だけ。
休日誘っても断られるし、二時休も一緒にいるときは少ない。
付き合ってるんだからこれで「寂しい」って思う私はたぶん間違ってる。
別にせいらに恋愛感情があるわけではない。せいらが付き合っている相手が好きなわけでもないのに。それなのに「別れた。」と聞いたときはとてつもなくうれしい。まぁ表には出さないけどね?ごめんねせいら。
私はひとりが嫌い。別に過去に何かあったわけでもないし、家庭がいろいろあるわけでもない。でも、誰かに愛されてたいから。愛してたいから。ごめんね。
いまは、「友達」のあなたが私の『愛するヒト』