第3章 脹相の場合
「何故治っていない!!?」
「え?そりゃ昨日の夜から熱出たならそんなすぐには…」
枕元でボソボソと話す声にうっすらと目を開くと脹相と虎杖が困ったような表情で立っていた。話しかけようと口を開いたが、茉奈が起きたことに気付いていない二人は話を続けている。
「だが昨日茉奈の風邪は俺が引き受けたはずだ!」
「はぁ?引き受けたって…あぁ、看病したからうつったかもって話?」
「違う!悠仁!お前は知らないのか?ネギも生姜も勿論だが一番はキスだ!」
「はぁ!!?脹相まさか…茉奈と…」
「キスはキスでもちがぁぁぁぁう!!!!」
とんでもない話に叫びながら起き上がった茉奈はクラクラとする頭をおさえつつ、虎杖と脹相の間に発生している誤解をいち早く解こうとパクパクと口を動かす。
「いや!俺は確かにキスをして風邪を引き受けたはずだ!」
「脹相さん!だからそのキスはキスでも…!!」
「まじかよ!!茉奈と脹相…受胎九相図と恋愛ってどんな感じなんだ…?」
「虎杖先輩!!!どこまで想像してるんですか!!額にキスされただけで恋愛に発展するはずないでしょう!!どこの小学生ですか!」
「悠仁、額にキスでは風邪はうつせないのか?」
「額にキスしたってそりゃ風邪うつらねぇだろ、やっぱ普通に口じゃねぇの?」
虎杖の”何言ってんの?”的な表情とともに静まりかえる室内。
衝撃を受けた表情の脹相、体調不良の中全力で叫んで酸欠の自分。
なんだこの状況…