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【チェンソーマン】凍てついた幼心〈早川アキ〉

第7章 夏霞の中の文字


「アキ!おかえり!」


玄関の扉を開けたアキに抱きつく。
まだ陽が高い、夏の夕方。

シャラッ…と音が鳴る。
デンジくんやパワーちゃんは、私たちが何をしていても、もう何も言わない。
慣れたようだ。


「結那、ただいま。
…なんかつけた?」

「壊れないもの。
あげる!」


首に回した手を肩に置き、少し離れる。
腰は腕の中に閉じ込められていた。

アキの首にかかったチェーンをそっと持ち上げる。
アキのことを考えて…想って選んだ、ネックレス。
チェーンの先にはリングがついている。
貯金が相当溶けてしまったけど、後悔はしていない。

笑ったアキに持ち上げられ、そのまま玄関に入って扉が閉まる。
啄むように何度も唇を重ねて、最後には額を合わせて見つめ合う。


「ありがとう」

「どういたしまして」


目線を落としてネクタイを緩める。
シャツのボタンを二つ外して、ぎゅっと抱き締めた。


「結那、脱いで」


服を脱げと言われたのかと思ったが、履いていたサンダルを脱ぐと、アキも靴を脱いで廊下を進んでいく。

リビングに着くと降ろされたので、ジャケットを脱がせた。
ネクタイも取ってハンガーに掛けておく。


「結那〜、俺も脱がしてぇ」


デンジくんの声が聞こえて向かおうとすると、アキに腕を掴んで止められた。


「自分で脱げ」


デンジくんは不貞腐れながらも、自分で脱いでいた。
お風呂を沸かしてくると離れようとすると手が離れて、アキもついてきた。

アキはまだリングをちゃんと見ていない。


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