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【チェンソーマン】凍てついた幼心〈早川アキ〉

第6章 壊れないもの


朝、家を出ていくアキとデンジくんの様子が、いつもと違っていた。
パワーちゃんはいつも通り…というよりは、興奮していた。
気付いていたけど、気付かないフリをして見送った。

少し怖くて、何も手につかなかった。
今みんなは…戦っているのだろうか…その命をかけて…。

夕方、鍵を開ける音が玄関から聞こえた。
立ち上がって、出迎えにいく。
でも、インターホンが鳴った。
デンジくんかパワーちゃんかな?

玄関の扉を開けようと手を伸ばす。
ドアノブを掴む前に回り、そのまま掴んでしまう。
身体に染み付いたものは、そう簡単には止められない。

掴んだまま扉は引かれていく。
私は押していない。
今更ドアノブを離すことなんて出来なくて、目の前の黒に倒れると思い、目をぎゅっと瞑る。
ドサッと少し大きな音がした。


「お、っと……結那、ただいま」


そのまま抱き締められて、顔だけを上げると…アキとは思えないほど、満面な笑みを浮かべていた。
気付けば唇が重なっている。


「ケッ、俺はマキマさんとしかしたくねぇぜ」

「姫野先輩としたのは誰だよ」


それはアキもだよ…それより、デンジくんもしてたんだ。

少し表情が固くなったアキは、すぐに柔らかく解した。


「タマ、蹴ってきた。
姫野先輩、喜んでっかな」


一瞬、息が止まる。
アキって、そんなことするタイプだっけ…。
よく意味はわからなかったけど、みんなの顔がすっきりしていて、よかったことなんだと思った。


「デンジ、それも持ってこい」


アキは落としたビニール袋に視線を送ってデンジくんに言うと、私のお尻に手を回して抱え上げる。
恥ずかしいけど、首に腕を回してしがみついた。


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