第5章 内側に隠した鈍痛
次に目を開けた時には、部屋は仄かに明るくなっていた。
アキも瞼を上げる。
私の呼吸の違いに気付いて、目を開けたようだった。
「おはよう、結那」
「おはよ、アキ」
アキが少し、顔を顰めた。
「結那、俺が寝てる時になんかした?」
アキは気付いているようだった。
起きてはいなかったと思うのだけど…。
「歯ぁ磨くぞ」
すぐに起きて洗面所に連れて行かれる。
もしかして…寝起きの息、臭かった?
嫌すぎる…泣きたい。
歯を磨いていると、後ろからお腹に手を回される。
そのまま自身の指同士を絡めて、腕の中に私を閉じ込める。
「夢見てた。
結那にフェラしてもらう夢。
――本当にしてただろ」
なんで気付いたの?
夢を見てたのなら、そのまま夢だと思っていてもおかしくはないと思うのだけど。
「フェラしたら、うがいだけでもしろ。
匂いしてた」
鏡に写るアキの顔は、無表情だった。
そのまま肩に顔を埋めて、その顔を見ることは出来なくなる。
「……ありがとう。すげぇ嬉しい」
声が少し高い。
嬉しかったんだ…私のした行為は正しかった。
私の存在は、邪魔にはなっていなかったようだ。
恋人のような距離感に、胸の高鳴りを抑えるのに必死だった。