第5章 内側に隠した鈍痛
アキの下からなんとか抜け出してお風呂に入った。
アキや姫野さんは入らない方がいいだろう。
湯船に浸かり、少しゆっくりしてから上がる。
リビングに戻れば、デンジくんとパワーちゃんはいなくて、姫野さんがアキに抱きついて眠っていた。
グッと下唇を噛んで、毛布を取りに行く。
二人に毛布を掛けて、少しそのままアキを見つめた。
軽く袖を掴んで引っ張る。
「アキ…アキ、やだ……」
アキが眠っていてよかった。
酔っていてよかった。
こんなの、聞かせられるわけがない。
手を離してアキのベッドで寝ようと立ち上がろうしたが、腕を掴まれて立てなかった。
毛布を引っ張りながらアキの顔が近付いてくる。
ただ黙って唇を重ねた。
舌が激しく絡んで、離れていく。
アキが倒れていくので、背中に回した私の腕では支え切れなかった。
一緒に倒れてアキの上に乗る。
後頭部を押さえられて、また激しい口付けを交わした。
「アキくん…?」
目を覚ました姫野さんがアキの名前を呼んだ。
アキからキスするのは――私だけ。
ふらふらと立ち上がったアキが部屋に行こうとするので、落ちた毛布を姫野さんに掛けた。
一度目を覚ました姫野さんは、既に夢の中だった。