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【呪術廻戦】呪いの嫁入

第21章 起首雷同


寝言は言っていたし、昨日も今朝も、その体温はしっかりと感じた。

そのはずなのに、未だ既読すらつかない画面を見つめていると嫌な想像ばかりが脳内を支配して、胃の奥がキリキリと痛み出す。


「ちょっと伏黒。サボってんじゃないわよ」


黙り込んだ俺にそう言った釘崎は、俺へと人差し指を突きつける。


「………ああ、すまん」
「……………はぁ、」


視線を足元に向けたまま小さく謝罪を口にすれば、釘崎は何かを察したように、心底面倒くさそうに大きなため息を吐いた。


俺と釘崎の間に何とも言えない気まずい沈黙が走ると、それに釣られたように虎杖までそわそわと落ち着きをなくし始める。


俺自身がこの空気を作り出してしまった手前、これ以上心配をかけるわけにはいかない。


何か別の、任務に関する話題でも振って誤魔化そう───そう思って重い口を開きかけた、その時だった。



「あぁ!!!いたーっ!!!良かったぁ!!」

「……?」

「伏黒さーーん!!」



静寂を切り裂く大声に振り返ると、自転車に乗ったリーゼントの男───……。

昨日中学の裏手で出会った不良の一人が、俺の名前を叫びながら、二人乗りでコンビニの駐車場へと猛スピードで滑り込んできた。


「八十八橋って言ってたから……本っ当良かったぁ〜!!」


俺の顔を見て安堵の息を吐き出したそいつの影から、うっすらと見覚えのある女の顔が恐る恐る覗く。

こいつは確か、ナマエとよく連んで一緒に居た……。


「…………藤沼?」

「……良かった、覚えてくれてて」


小さく名前を呟くと、自転車から降りた藤沼は緊張をふっと緩めるように小さく頷いた。

新田さんからの説明を求めるような視線に「同級生」とだけ答えると、新田さんは納得したように一歩後ろへ下がる。


「昨日帰って、姉ちゃんに伏黒さんの話したんですけど……、」

「………あの、…森下さんって近所でお葬式やってて、……その人と八十八橋のこと調べてるって、この子に聞いたから、─────何か、関係あるのかなって、」


そう言って、怯えたように服袖をぎゅっと握りしめている藤沼の様子を見る限り。

森下という被呪者の死に、藤沼が何かしらの心当たりがあることは容易に察せられた。
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