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【呪術廻戦】呪いの嫁入

第21章 起首雷同


───

──────


翌朝。


いつもより少しだけ早く朝の準備を済ませた俺は、高専を発つ前に、もう一度だけナマエの様子を見にその部屋へと足を運んだ。


「…………」


しかし、静かな部屋の中でナマエは未だに深い眠りについたままで、目を覚ます気配は微塵も見られない。

回復に時間がかかっているのかもしれない。

そう考えた俺は、一先ず今はそっとしておいてやろうと、部屋の鍵を静かに閉めて正門前へと向かった。


「遅い。あんた一体今まで何してたわけ」
「………別に。何でもねぇよ」


高専の正門前に並ぶ二つの影へと近づくと、そのうちの一つ────朝からすこぶる機嫌の悪い釘崎に睨みつけられ、思わず言葉を濁してしまった。

しかし、そんな誤魔化しを簡単に許す釘崎ではない。

さらに眉間のシワを深くし、「な・に・し・て・た、って聞いてんの」と問い詰められれば、これ以上やましいこともない事実を頑なに隠し通す必要もなくなった。


「……ナマエの様子見に行ってただけだ。……あと別に時間通りだろ」
「私の後に来たやつは全員遅刻扱いよ」
「…どんなルールだよ」


その暴論に呆れて溜息を吐き出せば、釘崎はふいっとそっぽを向いてポケットから携帯を取り出し、画面に八つ当たりするような勢いで文字を打ち込み始めた。

……どうせ、既読のつかないナマエへ、不平不満を並べた個別メッセージでも送っているのだろう。


「お!あれ新田さんの車じゃねぇ?」


虎杖のその言葉に釣られて階段下に止まった黒塗りの車を見ると、中から金髪にスーツを着た補助監督───新田さんが姿を表した。


「行くぞ」
「押忍!」
「指図すんな」


俺が声をかけると二人は各々好き勝手な返事を返したが、それ以上無駄な会話を続けることはなく。


俺たちは三人揃って階段を駆け下り、新田さんの待つ車へと乗り込んで、昨日の調査の続きを進めるために、再び八十八橋へと向かった。
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