第16章 運命的な再開
寮の出口を抜け、集合場所である高専の出入口───鳥居の前に、私たちは集まった。
真希さん、パンダ先輩、狗巻先輩……そして恵くん。
四人の視線が、私の隣にいる野薔薇ちゃんの方へと鋭く突き刺さる。
「なっ……なんで皆手ぶらなの!?」
「お前こそ、何だその荷物は」
「何って……これから京都でしょ?」
寮の談話室に置かれたキャリーバックを転がし始めた時から、まさかとは思っていたけれど。
「京都"で"、姉妹校交流会……」
「京都"の"、姉妹校"と"、交流会だ。東京で」
どうやら、野薔薇ちゃんは大きな勘違いをしていたらしい。
私は扉越しに恵くんから話を聞いていたから、交流会が東京で開催されることは知っていたけれど。
一体どこで食い違ったのか。今この瞬間まで、野薔薇ちゃんは京都観光を心から楽しみにしていたようだ。
「許さんぞ乙骨憂太ーーーッッ!!!会ったことねーけどよぉ!!!」
去年の交流会では、乙骨先輩が圧勝をもぎ取った。
その輝かしい功績のおかげで、今年の開催地が東京になった訳だけれど……。
野薔薇ちゃんにとっては、突如として京都に行けなくなった絶望の方が大きかったらしい。
「こ、今度のオフ……一緒に京都、行く?」
「………………行く」
地面に膝をつく野薔薇ちゃんの肩に手を添えて提案すれば、彼女は魂が抜けたような顔でコクンと頷き、私の慰めを受け入れた。
「で、ナマエ。お前はちゃんと動けんのか?」
「え……?」
腰にしがみついてくる野薔薇ちゃんの頭をよしよしと撫でていると、不意に背後から真希さんに声をかけられ、その問いに首を傾げる。
「恵とよろしくヤったんだって?野薔薇から聞いた」
「なっ……!!野薔薇ちゃん!!!」
野薔薇ちゃんの頭を撫でていた私の手が、驚きのあまり静止する。
そのまま彼女の頭をペシペシと叩いて抗議すると、野薔薇ちゃんは顔を上げ、「見せつけられたお返しよ」といやらしく口角を歪めて笑った。