第15章 成就の証※
「コレ………使えるかな?」
「………………」
一連の動作を見終えた後、ほんの一瞬だけ思考が停止した。
何故こんなものが、ナマエの部屋に置かれているんだ。
「あっ……!これは、誰かとシてたとかじゃなくてっ、貰ったやつで、今開けたの…!」
俺の強張った表情をどう受け取ったのか。
ナマエは焦ったように言葉を重ね、証拠を見せるように、箱を包んでいた剥がしたてのビニールを差し出してくる。
しかし、問題はそこじゃない。……というか、はなから疑っていない。
「……一応聞くが、誰に貰った」
「ご………五条さんに、」
「はぁ…………」
あまりに期待を裏切らない答えに、深いため息が漏れた。
やはり、あの人は俺の何手も先を読んで俺たちの未来を支配してくる。
それが酷く気持ち悪いのに、今この瞬間、少しだけ感謝しそうになった自分に猛烈な嫌気が差した。
「…………それ、貸せ」
「っ……」
今更やめる気なんて微塵もない。
今日は"仕方なく"ソレを使うが、終わったら残りはすべて没収して捨てさせる。
そう心に決めて、ナマエの手元にあるパッケージを奪おうとした瞬間。ひょいと手を上げられ、俺の手は空を切った。
「……オイ」
限界まで我慢を強いられていた脳に、一気に血が上る。
あれほど切実に求めておきながら、コイツは土壇場で焦らすつもりか。
「………寄越せ」
「や…………」
「ヤじゃねぇ」
誘ったのはお前だろ。
そう付け足してナマエの腕を掴み、半ば強引にベッドへ押し倒した。
「……こっちはもう限界なんだよ。早く渡せ」
「だ、め……っ。これ、は……」
抵抗するように首を振りつつも、ナマエは震える手でパッケージの封を切り、中身を取り出した。
そして潤んだ瞳で、俺を真っ直ぐに見上げる。
「私が貰ったやつだから……。私が、つけてあげる」
「……は???」
何を言い出すかと思えば、また馬鹿みたいな事を、馬鹿みたいなタイミングで。
いつだって斜め上の角度から殴られるこちらの身にもなってくれと、心底思った。