第13章 呪胎戴天
この先、いつか私の選択が正しかったと証明される日が来たとして、私は笑えるのだろうか。
自分の意地を通したせいで、大切な一人の命を諦めることになったこの日の絶望を、私は今後一生、呪いのように背負い続けていくというのに。
「……少し、捻る、」
虎杖くんの身体を丁寧に仰向けにし、その冷え始めた頭を膝に乗せる。
そして言葉通り抉られた心臓へ手を翳して、総監部が口にしていた言葉を呪文のように呟きながら、呪力を指先に一点集中させた。
いつも硝子さんがやっているように。ひゅーっとやって、ひょいってするだけ。
────それだけ、なのに。
「っ……できない、なんで、」
一朝一夕で出来るものではないと分かっている。
それでも、今この瞬間だけはやらなければならない。
恵くんのお友達。私の大切なクラスメイト。
彼が居なくなったら、私以上に恵くんが悲しんでしまう。
「なんで……っ、なんで、私にはできないの…!!!」
冷たくなった虎杖くんの顔を両手で包み込んで、強く叫んだ。
自分の何もかもが嫌になる。
何も救えないくせに我儘で、力なんて持ち得ないくせに傲慢で。
私の人生は今までも、そしてこれからもずっと───ずうっと、後悔という色で塗り潰されていく。
たとえ五条さんに怒られたとしても。
私は、自分の間違った選択で失った大切な人の命を、振り返らないことなんて出来ないから。