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【呪術廻戦】呪いの嫁入

第12章 鉄骨娘と元神様


虎杖くんと釘崎さんが入学して一週間。

二人が来てからというもの、任務で恵くんと行動を共にできる機会が格段に増えた。

一年四人で、という縛りはあれど、それでも恵くんの傍にいられる時間が増えたことが素直に嬉しかった。


「はよーっ!!!」


バンッ、と景気いい音を立てて教室の扉が開かれ、鮮やかな桜色の髪が視界に揺れる。

同時に朝のホームルームを告げるチャイムが鳴り響き、虎杖くんは「ギリセーフ!」と大げさに胸を撫で下ろした。


「あれ?釘崎は?」
「まだ来てねえ」
「遅刻か〜……やっちったなぁ、釘崎」


虎杖くんは私の前の席に陣取り、一限目の用意をしながらのん気に呟いた。

そう。いつもなら、数分の遅刻は何かと許容される。

でも今日は───……


「っ、遅れた!!!先生は……っ」
「やあやあ野薔薇! 珍しく僕がいる日に遅刻なんて、君は運がいいねぇ!」
「げっ」


今日は朝から、五条さんが教壇に立っている日だった。

担任なのだから居て当たり前だと思われるかもしれないけれど、現代最強の呪術師はいつだって忙しない。

だから、当日の朝に教室の扉を開けるまで、五条さんがいるかどうかは誰も知らないのだ。


「はい、じゃあ野薔薇は体術の授業前にグラウンド五周ねー」
「最ッッッ悪!!!なんで今日に限って居んのよ!!」


ちなみに、先に教室に入った生徒がクラスメイトに情報を共有するのは、五条さんによって固く禁じられている。

過去に「五条さんがいないなら」という理由で堂々とサボる不届き者がいたらしい。


(……私は五条さんが居たら、いつもより早く来ちゃうけどなぁ)


内心でそんなことを思いながら、入り口で五条さんに噛みつき、地団駄を踏む釘崎さんをそっと見つめた。


「……はぁ、朝からツイてないわ」
「…っ」


一瞬だけ視線が交差したけれど、すぐに逸らされ、釘崎さんは自分の席へと着席する。

それを横目に見届けてから、私は机の木目に視線を落とした。
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