第8章 百鬼夜行の、その最中※
指先に絡みつく熱い液体を弄りながら、これからどうこの身体を虐め倒してやろうか───そんな算段を立て始めた、その時。
「き……きもちい、から…だよ」
「……」
手繰り寄せた枕で顔を隠しながら、
熱に浮かされた声でそう告げるナマエを見下ろして、こめかみに血液が集中した。
「…………はあ?」
「なんで怒るの?!」
あまりの形相だったのだろう。
自分でも分かるほど獰猛に歪んだ俺の表情を見て、ナマエが慌てたように枕をぎゅっと抱きしめ、身を縮めた。
どうせまた、俺を煽る目的で呟いたのだろうが────効果てきめんだ。
お陰様で、完全に理性が焼き切れた。
せっかく、できるだけ優しく、手加減をしてやろうと思ってやっていたのに。
「腰」
「え……」
「いいから上げろよ、早く」
「や、こわ…っ」
凄んで見せてもすぐに言うことを聞かないなら、力ずくで従わせるまでだ。
下着とボトムスに掛けた手を、震える脚から力任せに引き抜き、乱暴に剥ぎ取る。
再び顔を隠そうとしたナマエの両腕を片手で掴み取り、
そのまま頭上のシーツへ縫い付けるように押さえつけると、至近距離で潤んだ瞳が俺を捕らえた。
「……お、怒らないで」
「怒ってねぇ……キレてるだけだ、」
今の俺がどんな顔をしているかなんて、鏡を見なくたってわかる。
「それいっしょ…──んぅっ」
この期に及んでまだお喋りを続けようとする、その生意気な唇を食むように塞ぐ。
一瞬、この重圧に切なげに眉を顰めたナマエだったが、強引に舌を差し込めば、すぐに甘い溜息を零してうっとりと瞼を閉じた。