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君がいた常夏

第2章 用心


次の日。サバイバルを終え自由時間に入ると、希灯は真っ先にカムクラの元へ向かった。
『カムクラくん。希望のカケラだけどさ、まずは私のから埋めてみない?。』
「いいですよ」
『よかった、ありがとう。……。』
即答で了承をもらえはしたものの、希灯は少し緊張した面持ちでカムクラをじっと見る。
「心配せずとも、あなたの想定しているようなことはしませんよ」
落ち着かない様子で佇む希灯にカムクラが言った。
思惑を見抜かれていたことに気付いて、希灯は焦りのままに目を逸らす。
『ごっ、ごめん……。でも、ちゃんと確かめておきたくて。』
カムクラが変なことをしないか見張るため、あとはちゃんと他人とコミュニケーションが取れるかどうか確認するための声掛けだった。
2人は中央の島から1番目の島に続く橋を渡っていく。
『……どこか行きたいとこある?。』
「特にないです」
『じゃあ、散歩ってことで……適当に歩きながら話そうか。』
互いにゆったりとした歩調を保ちながら進む。
一歩一歩踏み出すごとに、希灯は気まずさを覚えた。
『えーっと……採取さ、意外と難しかったよね。全然材料集められなかった。』
「そうですか」
『カムクラくんのいたグループは目標数確保できたんだっけ?。お疲れさま。』
「別にあの程度……雑作もないことです」
午前中の体験について雑談を交わしながら道なりに歩いていく。
会話は弾んでいない。
何かしら話題を選んで話しかけ続けるけども、温度のない返しばかりだ。
広がらない会話に、自然と希灯も口を開く回数が減る。
波の音の方が賑やかだ。
『あ……そういえばさ、君のプロフィール見たんだけど……「超高校級の希望」って何?。具体的にはどんな才能なの?。』
話題作りに困った頃、昨夜見た情報を思い出した。
概念でしかない"希望"が才能なんて、幸運の才能より抽象的だ。
「…………」
少しワクワクしながら返答を待っていると、カムクラは希灯の顔をじっと見つめた。
『な……何っ?。訊かれたくなかった?。』
「いえ。そうではありません」
気分を害したかとたじろぐ希灯からカムクラは視線を外す。
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