第10章 顛末
未来機関を名乗るスーツ姿の男女が部屋に入ってきて介抱された。
介抱されて落ち着いた後、ウサミと七海はAIで、希灯は監視者で、カムクラは想定外の参加者だったと未来機関の奴らから説明があった。
希灯は脳死状態で、何とか助からないか治療を試みたものの技術的な問題もあり蘇生は不可能らしい。
ウサミや七海とは会話することができた。
モニターに映る2人は島と何ら変わりない様子だったが、2人の正体をすぐには受け入れられなくて、ぎこちない態度になってしまった。
カムクラはというと……プログラムの終了、ひいてはプログラムと俺の脳が切り離されると同時に消滅したそうだ。
入ってくる情報全て、やるせなかった。
ウサミはともかく、七海も希灯もカムクラも大事な仲間だった。
1 人は架空の存在で、1人は死に、1人は肉体を失った。
「……」
寂しいとも悲しいとも何か違う。後悔でもない。
ただ、修学旅行が終わった後の周辺の情報を上手く呑み込めない。
「(俺たちは、目覚めない方がよかったのか……?)」
修学旅行が終わり、現実世界に戻ったとして……万事解決ってわけじゃない。
記憶が上書きされたって、身体や身の回りの状況は絶望の残党だった頃のままだ。
一部が欠損しているやつもいる。家族を失っていたやつもいる。
「(何も知らないまま、希灯のやろうとしていた島生活の永続の方が皆幸せだったんじゃないのか……?)」
考えれば考えるほど、そんな思考が頭を過る。
江ノ島盾子ってやつが起こした絶望的な事件の数々のせいで世界中荒れ果てていて、毎日大量の人が死んでいるらしい。
現在は収束に向かっていて、復興の兆しはあるものの平和とはひどくかけ離れている。
未来機関は「輝かしい未来のため」と言うけれど……はたして本当にそうなのか?
「未来」って誰の未来だよ?
希灯は……これが待ち受けているのを知っていたから未来を拒否したのか?
だから希灯は島に全員を閉じ込める選択をして、カムクラは自身が消えても厭わないからって修学旅行を終わらせるための行動に出たのか?