• テキストサイズ

君がいた常夏

第10章 顛末


未知の光に包まれ、視界や思考が途切れる。
次に目を開けたとき――なぜか目の前には透明な壁があった。
「……?」
身体は横倒しになっていて、身体の所々は何かチューブめいたものに繋がれている。
狭い。棺桶のような構造の、SFチックな装置に自身は収められているみたいだ。
壁に思えた透明なものはそれの蓋らしい。
「なんだ……?」
最後に見た光景を思い出す。青白い顔で完全に脱力した希灯と、それを抱き留めるカムクラの姿。
そこから今の状況までが繋がらない。
「(希灯は無事なのか……?)」
戸惑いつつ、蓋を押し開ける。
辺りを見回すと島で過ごした何人もの姿が見えた。
自分と同じく、今の状況に困惑しているようだ。
「みんな、大丈夫か?一体どうなってるんだ……?」
近くに居た左右田の背に呼び掛ける。
「お、おう、日向か。……日向か?」
振り返った左右田が、首を捻りながら覗き込んできた。
「なに言ってんだよ。俺のこと忘れたのか?」
苦笑いしながら返す。
「日向……っぽいな。でも何て言うか、お前……見た目すっげぇカムクラだぞ?」
「…………は?」
思わず、呆けた声が出た。
「(見た目がカムクラ? たしかに髪がやたら長くて邪魔だけど……見間違えるほどか?)」
左右田の反応を訝しんでいると、少し離れたところから終里がズカズカと近付いてきた。
「やい、カムクラ!なんで希灯のやつ殺しやがった!?」
そう怒鳴られ、胸ぐらを掴まれた。
「あっ、おい! 終里やめろ、そいつ日向だぞ?」
「ああん?なに言ってやがる!土下座しかできねー身体にしてやるから覚悟しろ!!」
「待てよ終里……!ホントに俺だって!」
拳が飛んでくる前にと、焦って両手を上げながら誤解を解こうと呼び掛ける。
「は? オメーが日向……?」
顔をしかめ、眉を吊り上げながら終里が顔を覗き込んできた。
冷や冷やしながら様子を見ていると、首を傾げつつも終里は右手を握り込む。
「おっし、まどろっこしいから取り敢えず殴っておあいこにすっから歯ぁ食いしばれ!」
「おあいこって何に対してだよ……!?」
左右田だけでは止められないみたいだ。
振りかぶられた拳に慌てていると、終里の背後から誰かが現れた。
「やめろ。さっきから何をやっている?」
/ 55ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp