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君がいた常夏

第7章 保留


爽やかな南国の風を感じながら食事を摂る。
全員揃っているレストランは今朝も賑やかだ。
みんなサバイバルの後の自由時間について誘い合っている。
今週の目標課題である花飾りの作成がすでに終わっているからか余裕に満ちていた。
各個、希望のカケラ集めやおでかけチケットの消費に精を出しているようだ。
『(私も頑張らなきゃ……)。』
カムクラは意外と上手くやっているようで結構人気だった。
「か、カムクラさんってその、思ったより優しいですよねぇ……私が転びそうになったとき、すかさず助けてくれて……何度も助かりましたぁ」
「ふむ。生物の扱いにも長けている。よもや俺様と張り合えるほどの存在が現れようとはな……負けてられん」
「ねぇねぇ、あとで僕の新作また味見してみてくれない? 君の辛口なレビューを覆させてあげるよ!」
「カムクラぁ、俺と勝負だ!今日こそ俺が勝つ!」
「ム……私もゲームのリベンジお願いしたいな。こないだ手も足も出なかったから……ちょっと悔しい、かも」
「また唯吹とセッションしたもー!なんならライブハウスで皆呼んでお披露目もいいっすね!」
カムクラは寄ってくる仲間達の要望を毎日淡々と捌いていた。
修学旅行はもう104日目。カムクラはもう既に全員分の希望のカケラを埋めきっている。
『(みんな結構イズルくんのこと気に入ってるみたい。よかった。)』
最初はどうなることかと思ったけれど、こちらが願った以上にみんなに馴染んでいる。
『(……けど、このプログラムが終わったらイズルくんは消えちゃうんだよね。そうなったら、きっとみんなも悲しむ……。)』
修学旅行の終わりは、カムクラの終わりでもある。
『(いいのかな、このまま修学旅行を進めて……。)』
既に8割方埋まった自身の希望のカケラを見る。
中途半端に埋まっている相手が6名ほど。
『……。』
小さく溜め息を吐いて、希灯は電子生徒手帳を閉じた。









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