第4章 推測
『君との記憶はないけど……きっと私は、たぶん君のことも下の名前で呼んでたと思う。せっかくだし……これからはイズルくんって呼ぶよ。』
「お好きにどうぞ」
"イズルくん"。
初めて口にしたはずなのに、妙に馴染みのある感覚な気がした。
『……君の記憶の私も「イズルくん」って呼んでた?。』
「呼んでました」
何となく気になって聞いてみると、また即答が返ってくる。
『そっか……思い出せなくてごめんね。』
過去の自分とカムクラがどういう仲だったのかは知らない。
けれど、特に悲しそうでも嬉しそうでもないカムクラの表情を見て、なぜだか希灯はたまらなく寂しい気持ちになった。