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君がいた常夏

第3章 前提


『ラムネになぁれ……えいっ!。』
そんなことを言いながら何やら念じるように目を瞑り、またカプセルを開ける。
先ほど宝飾品が入っていたカプセルの中身は1本のラムネ瓶に変わっていた。
『へへ、どう?。すごいでしょ?。』
言いながら、希灯はラムネ瓶をカムクラに渡す。
「ふーん……情報のすり替えですか」
『多分そう。何かトラブルが起きたときに対応できるよう、先生のステッキの下位互換みたいな力をもらえたんだ。……みんなには内緒だよ?。』
未来機関から与えられた、監視者の特権であり責任だった。想像力次第である程度は現状を歪められる。
こういう些細なこと以外で使う機会が訪れないといいんだけど、と希灯は少し溜め息を吐いた。
ヤシの木に寄りかかり、2人で海を眺めながらラムネを飲む。
ほんのりレモンの香りがする甘い炭酸が、粘膜を刺激しながら喉を通り過ぎていく。
『……さっきあげたメダル、このガチャとロケパンの自販機で使えるみたい。何か欲しいときの為にもうちょっとあげるね。』
カムクラに追加でモノクマメダル数枚を押しつける。
「そんなに要りません」
『いいの。私もまだ何枚も持ってるし……君が自由に使ってよ。』
せめて、最終日までなるべく退屈しないで居られるように。
消えるその日まで、不自由なく過ごせるように。
昨夜ウサミから聞いたカムクラの顛末を思うと、少しでも何かしたい気持ちになる。
出来ることは少ないし、結末を変えてあげることも出来ないけれど……それでも、偽物の南国生活を楽しんでもらいたかった。
他の被験者たちとは違うカムクラに。修学旅行の終わりに消滅が待っているカムクライズルに、ほんの少しでも。









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