• テキストサイズ

君がいた常夏

第2章 用心


そのせいもあって、カムクラもバグに巻き込まれただけというオチは考えてもみなかった。
「あなたはこのツマラナイ島生活を無事に終わらせたいんでしょう。僕もいつまでもここに居たいとは思わないので、あなた達の望む進行通りに行動するつもりです」
『めちゃくちゃ聞きたかった言葉だけど、なんだか都合が良すぎるね……信じていいの?。』
「警戒するだけ無駄だ」とでも言うかのような視線を送るカムクラに、希灯は眉をひそめながら聞き返す。
「ご自由にどうぞ。信じられようと信じられなかろうと……僕がやることは変わりません」
『そう…………。』
言葉の真意が分からない。
カムクラに騙す気があってもなくても、警戒を怠らずに見張る必要性は残った。
『じゃ、もうそろそろ帰ろうか。みんなもレストランに集まり始める頃だろうし……夕飯一緒に食べよう。』
「構いません」
砂に刻まれた2人の足跡を踏みながら、ホテルに向かってまた歩いていく。
そのとき、双方の電子生徒手帳から「シャリーン」というサウンドエフェクトが鳴った。
希灯は自身の分を取り出して何の音か確認する。
『あ……希望のカケラか。』
そう言って、カムクラにも画面を見せた。
カムクラのプロフィールの項に2つ目のカケラが埋まっている。
「この程度の交流で埋まるんですね」
『思った。この分ならすぐに卒業まで行けそう。』
希望のカケラは絆が深まった際に溜まる、という認識だった希灯はどこか呆気なさを覚えつつも安堵する。
『この調子でどんどん埋めていこうね。全員分。』
カムクラのことはまだ完全には信じられないけど、昨日よりかは危機感が薄まった。
卒業は早ければ早いほどいい。カムクラの気が変わる前にこのプログラムが終わることを願おう。
希灯は比較的軽い足取りで、カムクラと共に砂浜から出ていった。









/ 55ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp