第6章 霊力補給※
気まずい感じであの日は別れた俺と肥前だったけれど、真面目な監視役である彼は職務を放棄することも、俺の体調を鑑みないこともなかった。
そう、いつのまにか霊力補給が夜の決まりごとになっていた。
日が落ちて、屋敷でぽつりぽつりと灯りがつきはじめる頃。
書類仕事を切り上げると、肥前はやって来る。
最初は今日の仕事の進捗などを確認されて、一段落ついたら“それ”に移る。
何度やっても、その時がくると、気まずさでヘラヘラ笑うのが止められなくなるし、内心は冷や汗ダラダラ。
「……今日も顔色悪ぃな」
「そう?」
「自覚ないのがねぇ…」
そう言いながら、肥前が距離を詰める。
怖くはない、緊張でもない。ただ、恐ろしく好みの顔と毎日キスをしているという事実で頭がクラクラする。
「……じゃあ」
その三文字がはじまりの合図だった。
執務室の椅子に預けていた背を離し、軽く背筋を伸ばして、軽く。目を閉じる。
肥前の手が、頬に触れる。
近い。近すぎて、呼吸のリズムまで分かる。
「……んっ…………」
唇が重なる。
最初は軽く、確認するみたいに。
でもも、すぐに唇が開かれて深くなる。
「…ふぅ…んむッ……ん゛んぅぅ〜!」
「……ふっ……んッ……くちゅ、」
息が混じる。
舌が絡み、口の中が蹂躙される。
甘い唾液が注ぎ込まれて、頭がじわじわと痺れる。
霊力が流れてくる熱と、どうしようもない胸の高鳴りで馬鹿になりそうだ。
肥前の手が、後頭部に回る。逃がさない、というような仕草に、心臓が苦しくなる。