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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第39章 スカートと青春



「紅海…」
「ん?」

振り向いた紅海へ、五条は自分の花火を差し出す
紅海のまだ火のついていない花火に引っ付けた

「はい、火あげる」
花火が触れ合う

ぱち、と音を立てて新しい光が咲いた
「ふふっ、ありがとう」
へにゃっと笑う顔

そして、花火に視線を戻し火花を見つめる
「綺麗…」

紅海を見つめる五条
「…かわい」
思った瞬間口に出た

無意識に指先が少しだけ動く
頬に触れる…あと少しで

その時
「五条先生!」
虎杖の声が飛んだ
「打ち上げ花火、あげていい?」

五条はぴたりと動きを止める
「……あぁ」
何事もなかったように手を引っ込める
「それ僕がやる」
歩き出す

後ろから紅海が首を傾げた
「悟?」
「ん?」

「さっき、何か言った?」
「別に」
いつも通りの顔で告げる

きょとんとする紅海に背中を向けて
五条は、小さく息を吐いた
…危な

一瞬だけ…本当に一瞬だけ
あの笑顔に、理性が追いつかなかった

だから距離を取る
今は恋人じゃなくていいって思ってたくせに、心が揺らぐ

「悟!打ち上げ花火!綺麗なのが良いな!」
遠くから紅海が手を振る

わざと大振りに手を上げて、ピースする

「先生、早く!」
「はいはい」
笑って返事をする

こうして笑っている姿を見られるだけで、十分なんだから
欲を出せば、もっと欲しくなる


「よーし!危ないから少し下がって」
五条が一本ずつ花火を地面へ立てていく

虎杖は目を輝かせながら身を乗り出した
「早く! 早く!」
「虎杖、近い」

「危ないって」
釘崎が制服の袖を引っ張る

伏黒は少し離れた場所で腕を組み
「はしゃぐな、小学生か」
と、呆れたように息をついた

「いくよー」
五条がライターを近づける
しゅっ、と小さく火が走り

次の瞬間
ババババッ——!

金色の火花が夜空へ噴き上がった
「うわぁぁ!すっげぇ!」

虎杖が思わず声を上げる
釘崎は笑い、伏黒は満足そう

「思ったより綺麗」
「悪くないな」

その横で五条は、子ども達の反応を見て優しく笑う
「ほら、次いくよ〜」

「まだあんの!?」
「いっぱい買ったからね」

「買いすぎ〜!でも…楽しいから良い!」
「ぶ、ははっ!全部、火付けよ!」
そんな他愛ないやり取りに、三人と五条の笑い声が重なっていく
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