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【呪術】もしも、希望の隣に立てたなら。【廻戦】

第39章 スカートと青春


伏黒恵は、窓の外に視線を向けた

校門の向こうから、二人が歩いてくるのが見えたからだ

「だからさ、芸人だって!絶対に!」
「悟、もうその話終わったでしょ…そっくりさんだったよ」
「いや、終わってない、あのボウズは絶対そう」
「坊主しか合ってなかったってば」

紅海が呆れたように笑う
その笑顔を見て、五条はまた何か言い返す

紅海は「もう」と肩を竦めながら、それでも楽しそうに話を聞いていた

その様子に、自然と視線が止まる
……
京都で何があって任務に出たのかは、詳しくは聞いていない
何日間か戻ってこなくて心配したが
昨日の夜に帰ってきたらしい


戻ってきた二人を見れば分かる
少なくとも、流鏑馬先生は無事に帰ってきたんだ
それだけで十分だった

しばらく二人を眺めていると、五条がまた何かふざけたらしい
紅海は困ったように笑いながら首を横に振る

怒るでもなく、突き放すでもなく
流鏑馬先生は、ああやって受け止める

2人は付き合ってるわけじゃない…

そう聞いている
本人たちが違うと言うなら、そうなんだろう

視線が五条へ向く
術師として、あの人が背中にいるだけで、生き残れる確率は上がる
それは事実だ

……でも
普段は人をからかってばかりだし、思いついたことはすぐ口にする
人の反応を面白がることもある
悪気はない
だから余計に質が悪い

流鏑馬先生は、人が良すぎる
五条先生が相手なら、簡単に振り回されそうだ

そんなことを考えていると

紅海が何か言い返しているのご解った
五条は一瞬きょとんとして、それから声を上げて笑う

その笑い方は、さっきまでとは少し違った
自分も楽しくて笑っている
そして、つられて紅海が笑う

その楽しい空気だけは伝わってくる
……恵は小さく息を吐いた

少なくとも
あの人が、流鏑馬先生を笑わせているのは、本当らしい
それ以上のことは、まだ分からなかった
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