第4章 ぐらぐら
部屋に一人でいると、余計なことばかり考えてしまう。
仕事ってなんだろう?
今日は何時に帰ってくるんだろう?
もし、このまま二度と帰ってこなかったら?
それと、もし、今私が外に出たら?
(あぁ、その時は追いかけてきてくれたらいいな。すごく怒られるかもしれない)
そんなふざけたことを思う。
こっそり外へ出る想像をしている私は、案外悪い子なのかもしれない。
でも、記憶のないまま外に出れば、きっと誰かにつけ込まれるだろうし、鶴丸に迷惑をかけるのはなんだかんだ嫌だったから、結局実行には移せずにいた。
最近、気付いてしまったことがある。
ひとりになると、彼の言葉を思い出す。声を思い出す。少し冷たい手の感触を思い出す。
………私は、恋というものを、しているのかもしれない。
かけっぱなしの音楽プレイヤーから聞こえる、愛の歌がやけに浮かれて聴こえるようになった。