第18章 迷宮-ザガン-
一瞬で距離をあけられ私達はなす術なく少女を連れ去られた。
その間にザガンは宝物庫までの一本道を用意してあげる、と言った。
アリ「くそっ!
…アモン、ザガンが王を選ぶ気が無いって本当なのかよ」
『いや、あやつはお主らを値踏みしていたようじゃから宝物庫に辿り着いたなら選ぶじゃろう。』
ヒゲを摩りながらアモンがため息を吐きながら答えた。
『ム………』
すると突然アモンの姿が朧げになりだした。
アリ「!!ア、アモン!
なんだよ、いきなり出て、もう消えちまうのかよ!?」
『うむ…今回は「マギ」の力を借りとらんからの…。
「迷宮」内のルフ濃度が高いから、地上よりもわずかな魔力で実体化できるが、これまでじゃ。』
そう言いながらもアモンの姿は徐々に小さく薄くなっていってる。
『所でレイといったな?お主ミカエルはどうした?気配を感じんのだが』
と、唐突に聞かれた。
レイ「あ、私…今、記憶を失っててその理由を私も知りたいんです。」
『なんと、記憶を失っておるのか。
…どうやって無くしたかはわかっておるのか?』
レイ「ええ、私がミカエルの力を発動して戦った後たど思います」
『そうか。
なら、お主の記憶喪失の原因は力の副作用のようなものじゃな。
時をかければ自ずと戻るがミカエルの力を借りなければならぬようなことがあったということは悠長にしてる時はないじゃろう。』
そう言って髭をさすりながらフムと頷いた。